トマト缶で本格ピザソースの作り方
あると便利なトマト缶。
イタリア料理を始めとして様々な料理に手軽に使うことができ、しかも長期保存が効くという便利な素材ですよね。
今回はそんなトマト缶を使って、本格ピザソースの作り方をご紹介したいと思います。
トマト料理に大切なトマトが甘くなる温度
皆さんがトマト缶を使うときは、どのようにしてトマト缶を使っていますか?
鍋にそのまま入れたりフライパンで温めるだけでしょうか?
残念ながらこのような使い方ではトマトの甘みを引き出すことはできず、なんとも言えない味のトマト料理になってしまいます。
そもそもトマト缶に使われているようなトマトは、加工用として流通したトマトであり、甘みの強いトマトとは言えません。
しかしトマトは調理方法一つで、どんなトマトであっても、トマト本来の甘みを引き出すことが可能な食材なのです。
まず、トマト缶のトマトが甘く感じない1番の要因は、トマトの酸味成分である「クエン酸」が多く残っていることにあります。
逆に言うと、トマトの酸味を飛ばすことができれば、甘みが残り美味しいトマトに仕上げることができるということです。
ではどのようにすれば、トマトの酸味成分であるクエン酸を飛ばすことができるでしょうか?
その答えは、約170度の温度で熱すること。
クエン酸は170度になると分解される性質があり、高温で火を通すことで酸味がなくなり、甘みや旨みだけをトマトに残すことができます。
では「フライパンで火にかければ良いのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、トマト缶の成分はほとんど水。
水の沸点は100度ですから、そのままフライパンで熱しても170度に達することができないのです。
つまりフライパンにトマト缶を入れて火にかけと言う行為は、ただ煮詰めているだけに過ぎないのです。
トマト缶を使った本格ピザソースの作り方
ではどうすれば良いのかというと、油を使います。
油は家庭のコンロでも200度以上まで温度を上昇させることができます。
これを利用してトマトを170度以上に熱してしまうのです。
やり方は簡単。
フライパンに多めのオリーブオイルを入れます。
油に触れる部分が170度以上になりますので、油は多めです。
その後、しっかりとフライパンを温めます。
温度センサー付きのガスコンロなら、センサーが反応するまでカンカンに温めましょう。
油の温度があがって200度付近になったらトマト缶を投入しますが、めちゃくちゃ油が跳ねますので、蓋を持ってガードしながら入れることをオススメします。
トマト缶を入れると10秒ぐらいバチバチ言いますので、洋服へのハネや火傷に注意しながら、蓋の隙間から木べらを差し込み油とトマトを混ぜ合わせていきます。
これをしないと、トマト全体を熱することができません。
そして一度火を止めて飛び跳ねが落ち着いたら、再度木ベラを使って油とトマトを混ぜ合わせます。
上手く混ぜ合わさるとこんな感じに、オリーブオイルとトマトが上手く混ざった状態になります。
このようになれば、これ以上煮詰める必要はありません。
あくまで1度170度以上になってしまえばクエン酸は分解されていますので、これでOKです。
最後にソースとしての味付けを行いましょう。
- 砂糖 小さじ1~2
- ケチャップ 大さじ1
- マヨネーズ 大さじ1
- ウスターソース 小さじ1
- お好みでニンニク
これで立派なピザソースの完成となります。
火にかけている時間はたった10秒程度。
慣れてくれば一瞬でトマト缶からピザソースを作る事ができますよ。
ピザにする場合は、ピザ生地にトマト缶から作ったピザソースを塗って、チーズを振りかけます。
ソースがしっかりしているので、チーズを乗せるだけでも十分おいしいピザができます。
180度のオーブンで15分ほど焼きあげれば…
子供も喜ぶ、本格ピザの完成です!
ぜひお試しください!
もし良いトマトを使ってピザソースを作りたいと思ったら、生のフレッシュトマトを刻んで同様の手順で作ってみてください。
よりさわやかで、香りの強いピザソースになりますよ。