床が抜けたベランダをDIYで修繕補修
私の実家は築30年以上。
至るところにガタが来ていてフルリフォームしてもいいくらいなのですが、その中でも一番酷い状態なのがベランダ。
支柱の鉄骨(根太)が錆びて朽ち、片側が構造鉄骨から落ちてしまっています。
プラスチックのような素材でできたベランダの床板も、片側の支えがなくなってパカパカ、一部は穴の開いているところさえある状態。
このままでは落下や足を切る危険性があるので、なんとか早急に修理・修繕リフォームしたいところです。
築30年以上経過し老朽化したベランダの惨状
まずは補修前のベランダの状況をご覧いただきましょう。
こちらは支柱の鉄骨。
手前側が落ち、奥側(家側)の鉄骨になんとかくっついている状態です。
そしてこちらがベランダの床板。
一部はすでに抜け落ちています。
床板の素材自体は固くて頑丈なのですが、支柱が働いていない場所は踏むと沈み込む状態。
おそらく、この穴のあいた場所や沈み込んでできる隙間のところに雨水が漏れ出し、その水分が支柱の鉄骨を錆びさせたものと想像します。
本来なら新しい支柱の鉄骨を入れるか、溶接してくっつける必要があるところですが、私は溶接などしたことありませんし、もちろん免許も持っていません。
なので、今回の修繕補修ではこの鉄筋の支柱を復活させるということは不可能となります。
もしベランダリフォームを依頼したら
両親ももう若くありませんので大規模なリフォームは嫌がっているのですが、もしベランダの修繕リフォームしようと思ったらいくらくらいかかるでしょうか。
ベランダすべての問題を解決とはいきませんが、支柱(根太)を溶接するだけならおそらく5万~10万くらい(プラス床板の撤去・新設も必要)、カバー工法で修繕したら30万前後。
もしも鉄骨からやり直せば100万近くかかるでしょう。
もう家自体が古いのに、ベランダだけ新品にするということはまずありえませんけど。
両親の希望としては、
「あと10年もすれば足腰も弱って2階に登ることも少なくなる。
洗濯物も1階で干せば済むから、あと5年もてば良い」
という感じでした。
ただし今の状況ではあと一年もつのかどうか…
床が抜けて転落でもしたら、修繕するよりももっと多くのお金が必要になることでしょう。
なので今回は、リフォームに後ろ向きな両親を説得することは諦め、私自身がDIYでベランダを補修・修繕し、あと5年使えるベランダを目指したいと思います。
幸い構造の太い鉄骨は生きているようなので、構造鉄骨の上に住宅用木材で支柱を新設。
その上に新しい板を張り「すのこ」のような感じに床板を貼ることで仕上げていきたいと思います。
DIYでベランダを修繕リフォーム
まずは鉄骨に付いた苔や汚れ、床板の隙間に積もり積もった泥とゴミを掃除するところから始めます。
結局全て上から被せてしまうことになるので、現状で見えている部分は、解体するまで見ることは無いかもしれません。
だから今の段階で綺麗にしておく必要があると考えたためです。
最初はケルヒャーの高圧洗浄機を使って、30年の汚れを落としていきます。
この際なので外壁や雨戸、網戸やサッシまでも一気に掃除しておきました。
ほんと、高圧洗浄機って便利です。
床板に詰まった泥などが綺麗になったことで、どのように床板と支柱(根太)に固定されているのかがわかりました。
どうやらビスや釘ではなく、鉄骨に溶接してある感じです。
床板を外せるところは外してしまおうと考えていたのですが、これでは、どんなビスやネジも取ってしまう「ネジザウルス」を使っても、床板を外すことは不可能そうです。
錆びたビスも、ネジ山が潰れても回すことができるネジザウルス
なので、既に穴の開いていた床の周辺だけでも鋸を使って外すことにしました。
床板を切断。中を覗いてみると…
よくこうなるまで平然と歩いていたものです(笑)。
見事に朽ち果てていました。
高圧洗浄機で汚れを吹き飛ばした後は、積もり積もった錆の掃除と、付着している錆を紙やすりで研磨し剥がしていきます。
やすりがけは、錆を落としてこれ以上の腐食を防ぐ為と、錆止め塗料の付着を良くするために行います。
特に下の写真のように塗膜が浮き上がっている個所は、一見するとまだ塗膜があって錆びてはいない様に見えるのですが、
やすりをかけてみると…
鉄骨に穴が開いています。
こういった空気が入ったようになっている場所は、塗膜だけ残って中の鉄骨が錆びている可能性が高いので、しっかりと研磨して錆と旧塗膜を剥がしておきましょう。
開いてしまった穴は塞ぎようが無いので、しっかりと錆を落としてこれ以上錆が広がらないようにします。
ベランダ全体にやすりをかけ終わったら、錆止め塗料を塗っていきます。
今回使用したのはこちら。
アサヒペン 油性高耐久鉄部用
錆の上からでも塗れる錆止め塗料となります。
少し粘度が高めですが、その方が分厚く塗れて保護膜になるのでおすすめです。
この錆止め塗料を穴のあいた部分はもちろん、生きている支柱(根太)にも、表裏としっかりと塗っていきます。
研磨から塗装までの作業は、なるべく1日で終えてしまいましょう。
途中で雨などが降り剥きだしの鉄が濡れてしまうと、錆が進行したり赤さびが発生する可能性があり、もう一度研磨をしなくてはいけなくなります。
鉄骨の下処理が終わったら次は、木材の準備です。
ベランダの奥行きを測り、根太になる木材を用意します。
根太には住宅用の固い木材が良いでしょう。
床板となる木材は1×4などの安い木材で十分です。
ベランダの横幅を計っておき、購入したホームセンターでカットしてもらうと作業が減り楽になりますよ。
これらの木材は全てベランダ(屋外)に設置されるものですから、当然ながら風雨にさらされます。
よってそのまま使うことはできないので、防腐処理をしておく必要があります。
木材の防腐塗料として有名なのは「キシラデコール」という塗料です。
キシラデコール 0.7Lはこちら
この塗料は塗膜を作るのではなく、木材に染み込むようになっていて、内部からの腐食も防げる効果を持つ優れた防腐剤となります。
こちらが一度塗りが終わった様子。
塗膜ではなく、染み込んでいるのがわかるでしょうか?
まだ浸透具合が弱そうなので、この後2度塗りしておきました。
ベランダの錆止め塗料と、木材の防腐塗料が乾燥したら、いよいよ床板を組み立てて重ね葺きにする作業です。
とその前に、上記でも見ていただいた床に穴を開けた場所。
作業中に外れている鉄骨に足をかけて落ちてしまったら大変なので、事前にブラブラになった支柱を仮補強しておきます。
こういった連結させる金具(継ぎ手)を使って、落ちた鉄骨を固定しておきました。
試しに踏んでみましたが、一時的になら足を置いても大丈夫そうです。
根元の鉄骨に負荷をかけない為にも、継ぎ手の仮補強は意外と効果的かもしれません。
ちなみに鉄骨にビスを留める場合は、電動ドライバーに鉄鋼用のドリルを装着し、鉄骨に下穴を作ってからドリルビスでビス留めします。
始めは細いドリルで跡を付けて、徐々に太いドリルに変えていくと貫通させることができます。
鉄工用ドリル刃セット チタンコーティング 19本組
それでは床板の組み立てです。
まず根太となる木材の片方には、L字の棚受けを付けておきます。
L字棚受け アングルブラケット
この棚受けを付けておくことによって、外壁に固定することができます。
鉄骨に固定する側は、上記の要領で鉄骨に穴を開け、
根太をドリルビスで固定。
この作業を繰り返し、等間隔に根太を入れていきます。
根太を鉄骨側に固定し終わったら、すのこの板を並べて傾斜を確認します。
雨水が流れるように、雨樋側(外側)に傾斜することを確認しながら、外壁側のL字棚受を取り付けた根太を固定します。
根太の両サイドが鉄骨と外壁に固定されたら、あとは板を張っていくだけです。
木材が割れない様に、下穴を開けてからビス止めしていきましょう。
完成した様子がこちら。
一番最初に見ていただいた写真から比べれば、だいぶ良くなったと思います。
しっかりと右側(雨樋側)に傾斜もつけてありますから、雨が降っても問題ありません。
これで5年は持ってくれればよいのですが、途中で防腐剤の再塗装は必要になると思います。
しっかりとメンテナンスをして、5年以上持ってくれることを期待しながら、ベランダの修繕リフォームの完了となりました。